2023.7.5
石狩市新港地区で低周波測定を実施しました
石狩市新港地区での低周波測定結果
本年2月開催の環境影響評価準備書に関わる法定説明会等で懸念の声を頂いていた低周波音について、石狩市新港地区で調査を実施しましたので、結果と併せご報告いたします。
測定調査の概要
測定調査日時:1日目 2023年5月30日(火)14時 ~ 5月31日(水)14時
2日目 2023年5月31日(水)16時 ~ 6月1日(木)16時
測定調査場所: 石狩市新港西2丁目近郊(以下、周辺状況パノラマ写真)
既設風車との距離 | 最近接距離0.93㎞、半径5.3キロ円内に風車22基(67.8MW) |
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調査内容 | 現地に測定機器を設置し、「低周波音の測定方法に関するマニュアル」(環境庁 大気保全局 平成12年10月)に準拠して、 G特性音圧レベル及び1/3オクターブバンド別の音圧レベルを測定の上、調査測定結果の整理・解析を行った。 |
調査のまとめ
2日間を通じ、ISOに定められている超低周波音を感じる最小音圧レベル(=100デシベル)を大きく下回る結果(約61~75デシベル)。また風車の稼働による低周波音の増大は観察されなかった。
測定調査の結果(詳細)
(1日目)
【低周波音測定調査結果】

注)
- 測定時期の平均値:LGeqの平均値は、エネルギー平均により算出したものであり、風速の平均値は算術平均により算出したものである。
- 時間区分:昼間 6 時~22 時、夜間 22 時~6 時とした。
- 現地風速:低周波音計の近く 1.2m の高さで測定した。
- ハブ高さ風速:石狩地域気象観測所の観測データからハブ高さでの風速を推計した。
- 風車カットイン風速:3m
【1/3オクターブバンド分析結果(Leq)】

注)
- 時間区分の平均値は、正時から 10 分間のデータをエネルギー平均し求めた。
- 時間区分は、昼間 6 時~22 時、夜間 22 時~6 時とした。

(2日目)
【低周波音測定調査結果】

【1/3オクターブバンド分析結果(Leq)】
まとめと考察
測定調査地点における昼夜別のG特性音圧レベル(LGeq)は昼間が61.6~75.2デシベル、夜間が61.3~71.2デシベルと、1日目、2日目ともに、参照値(超低周波音を感じる最小音圧レベル(ISO-7196)=100デシベル)を大きく下回っていた。
また、風が弱く風力発電機が稼働していない時間帯のG特性音圧レベル(LGeq)が、63.5~73.3デシベルに対し、稼働していた時間帯は、61.3~75.2デシベルと大きな違いはなかった。
測定されたG特性音圧レベル(LGeq)は、工場における作業・稼働音や、道路交通騒音等と大きく変わらないと考えられる。